東川スタイル(その1)

北海道の大雪山系旭岳。
大陸らしい、のびのびとした山々と広々とした風景の大地。
ここを訪れる時、その拠点となる旭川駅や旭川空港からの通り道に、東川町はある。

初めて訪れたのは、20年以上前になるだろう。
「北海道らしい、直線道路に沿って少しばかりの町」
は、10年後には、
「なんだか、爽やかである」
という町に変化していた。
おしゃれなカフェやクラフトショップができ始めたのだ。
そして数年後、東川は「移住の町」として国内にその名前が広がっていく。

交通の拠点から近く、観光の導線の中にあるからだろう、くらいに感じていたのだが、しっかりとした地方創生への成功の道筋があったようだ、と知ったのは最近のことだ。

今回、始めて「地方創生の事例」という文脈で町を歩いてみた。
大きめのデイバックを背負い、メインストリートを歩く。
正直、ピンとこない。

ということで、実際に人に会ってみることに。
カフェ「ノマド」、靴下専門店「YAMAtune」、そして、セレクトショップの「SALT」。
短い時間だったのだが、複数のお店に入ってみた。

(YAMAtuneの店構え)

人見知りの自分のこと、ちょっと気後れするのだが、
「移住の方多いのですか?」
と単刀直入に尋ねてみた。

「そうですね、関東や関西の人が多いですよ」
「人口が増えています」
「私も移住です」
「お店、冬でもやってますね。旭川など、周辺から「東川」といって訪れてくれる」
などなど。。。
「○○は美味しいですよ」
最後には、
「ぜひ、また、来てください」
の一言。

人見知りの自分でも、声をかけることができ、話が盛り上がる

このハードルの小ささ、が実は、この東川の文化になっているのかもしれない、と気づいた。

実は、今回訪れるにあたり、
「東川スタイル」
という本を手に取った。

「写真の町」を謳い、「写真を撮られる」=「人から見られる」という町になったことで、町民の意識が変わった、ということが綴られていた。
そして、今回の訪問でも、
「やっぱり、役場がすごいね」
との声も。

普通の行政マンは、民間に頭を下げられることはあっても、自分たちが下げることはあまりないでしょう。その点、東川の行政マンは違います。ここでは、役場は最大のサービス産業ですから
「東川スタイル」の中で、「写真の町」を牽引した、元役場職員山森敏晴氏の言葉だ。

確かに、多くの自治体を訪問したが、「成功している町は、首長や役場の人々のハードルが低い」という特徴がある。
東川は、まさに、それを率先し、サービスを高め、関係人口を増やす、という好循環を生んでいると言えるのではないだろうか。