改めて官民連携を考えてみる。

およそ1年前に、官民連携について、書いていた。
もっと官民がお互いこのことを、(最近の流行り言葉で言えば、)それこそ「忖度」すれば良い、ということを書いたのだが、
実のところ、そこまで簡単ではなさそうだ、
ということが、この1年の経験でわかってきた。

官民連携

お互いのことはなかなかわからないもの。
なぜなら、官民の間を行き来する人材が極端に少ないから、だと思う。
会話の「共通言語」がないので、少しばかりの翻訳者が必要になる。

しかし、一方で、じゃ、民間と民間ならうまくいくのか、というとそうでもない。
私は、郵政民営化にかかわったが、民営化前後から大量のいわゆる「民間からの人材」に来ていただいた。

口々に
「民間ではそうではない」
と言われたのだが、実のところ、同じ銀行業務であっても、それぞれの都市銀行で全くやり方が違うということが多く
「〇〇銀行ではそうではない」
というのが正しかったように感じている。
後で、ある銀行員が、
「合併した銀行でも、合併前の支店がどの銀行かで、昔の銀行の文化を引きずっている」
と、教えてくれて、
「文化っていうのは簡単には変わらないんだな」
と思った経験すらある。

私自身は、郵政民営化のおかげで、
銀行毎にどういうやり方なのか、ということを知り得ることができ、それは、
普通の都市銀行の行員ではなかなか経験できないもの
でもあるので、
貴重な経験をした日本人ということになったかもしれない。

話を戻すと、結局、
「組織毎に、文化が違って、やり方が違う」
ということだけだ。
だから、官民連携と言っても、企業連携と変わらないと考えれば、気が楽になる
企業連携や提携は
「それぞれの企業の強みを生かして、お互いの違うところはそのままに、新しい共通の価値創造を共同で目指してみよう」
ということだと理解している。

官民連携は、
「官と民のそれぞれの強みを生かして、お互いの違うところはそのままに、新しい共通の価値創造を共同で目指してみよう」
と理解すればいい。

連携と合併は違う。

官民連携を、企業連携や提携ではなく、企業の合併のように考え、一つの組織として動かしていこう、というのは土台無理だし、官に民の役割を、あるいは、民に官の役割を求めるものではない、ということを、基本原則にすればいい。
それは、企業連携で、お互いの企業に、相手企業の文化を持ち込まないのと同じだ。

一方で、絶対にミスリードをしてはいけないことがある。
周囲の環境に官も民も晒されているということだ。
民間は、環境変化が来れば、どの企業であっても、その環境に対峙し、変化を求められる。
ところが、官には、どうも、その「環境変化への適合能力が低い」と感じる。
スピード感を持った変化を、「官が民のように振るますこと」と勘違いしている方を時々見る。
スピード感は、官民ともに求められている、
組織であれば、何でも求められる課題のように感じられる。