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2017年7月21日更新 投稿者

超高齢社会2.0

何度かお会いさせていただき、興味深いお話をお伺いした、東京大学の檜山さんの近著。
私のフィールドの玄関口の郡山駅の書店で発見し、秋田県大館市までの7時間近い移動の間に、読ませていただいた。

将来の人口ピラミッドを上下逆転させると、高齢者が若者をフォローするように見える、という趣旨のコロンブスの卵的思考に、まず感動。

高齢者が楽しんで生きることができる社会を創りたいという著者の思いは、実は、すべての人々に取って楽しめる社会の実現でもあると読み解ける。
「働き方改革」
に対する、一つの提案ということだ。

私自身、郵政時代に「高齢者向けビジネス」の検討をしており、
「0歳から高齢者に至る過程は、経験を積む過程。だからこそ、高齢者になるほど多様性があり、それぞれのノウハウ、特性は、より尖ったものとなっていく。そのすべてにとって適切なサービスの提供というのは非常にハードルが高い」
と言うこと
そして、企業ない生産性の向上という観点から、
「クラウドソーシングの活用による企業内分業の効率化、が、組織、特に大企業の生産性向上に資するのではないか」
という仮説も持っていた。

この2つを掛け合わせ、クラウドソーシングを活用することで、
多様な人材と多様な仕事を最適化できるように繋いでいく
ということを、IoTあるいはAI、という領域の研究が、近い将来答えを導くだろうということに、この本のポイントがあるように思う。

CPUやデータベースの処理能力向上が、ビックデータの処理を可能にしたように、AIが、それぞれの人々が最も興味深く、適用能力が高く、楽しい仕事に従事できる可能性を生み出す。
昨今話題になっている、「AIが人間の仕事を奪う」ということとは真逆の将来が、ここには記されていた。

少し、楽しい将来をイメージできる良書だと思う。

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