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2017年3月3日更新 投稿者

2度目の長島町(第1回)

「なんだか天草みたいですね」
と言ったのは、島原で農業法人を立ち上げたばかりの平元洋さん。
島原から、天草にわたり、南北縦断をして、天草の南端にある牛深港から長島町の蔵之元港へ渡るフェリーの中で、そう語った。

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2度目の周防大島に続いて、私は2度目の長島町を訪れようとしていた。
「長島町は鹿児島県ですが、天草に文化は近いのです」

と前回お聞きしていたのを、平さんは証明してくれたことになる。
日本一の鰤養殖を行う、東町漁協、そして、大規模な養豚に取り組まれている長島ファームなどでお話しをお聞きした前回に続き、今回は「農業」だ。
「赤土じゃがいも」
なるブランドで売り出し中。
確かに、フェリーから見える長島町の土は、真っ赤な赤土だ。

ご案内いただいたのは、リディラバの益田啓光さん。
「『かもめ食堂』で待ち合わせしましょう!」
と言われ、港から島を南下する。

「むむ、ここ?」
という、なんとも、風情のある出で立ちの「かもめ食堂」。強風でドアが飛ばされないように、毎回鍵をかけるなど、なかなか最初っから個性豊かな旅。

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「やっぱ、ここならチャンポンです」
という益田さんのお薦めもあり、長崎ちゃんぽんを注文。

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美味しい。。。。
次は益田さんが食べていた「焼きめし」をいただくと心に決める。

グルメが目的ではない。
早速、この島にじゃがいもを根付かせた「エグチベジフル」の江口代表にお会いさせて頂く。

「この島はとても貧しかったのです。周囲の町からも馬鹿にされ」
という一言から、江口代表の話は始まった。
昭和40年代は、サツマイモ、海岸線では枝豆などの豆類を栽培。収入が少なかったので、出稼ぎの島だったという。
「この状態をなんとか変えたい」
その思いで、良い話があれば、出かけて行き、この島に適した、そして、出稼ぎがある前提で手のかからない作物、を探し続けたという。そしてたどり着いたのが、じゃがいも。
「この島の赤土に適していて、玉ねぎなどのように出荷の手もかからない。そして、日本でほぼ一番の早い時期に出荷できる地域特性が差別化を生み、これが最適だった」
「1つの農家から始まった出荷も、今では600の農家と組む。600世帯との付き合いは決して一筋縄ではなかった。喧嘩もした。」
という。

ただ、この600世帯との信頼を築いたことが、エグチベジフルの成長の最大の力であり、また、それが、長島町の最大の産業として「じゃがいも」を生んだ。
「農家のためにできることはやる」
江口さんは、この一言を何度となく、会話の中でお話しされた。
同行してくれた、平さんの質問に丁寧に答えてくれる江口さん。農家に対する愛に溢れている。

その結果として、
「エグチベジフルだったら信頼できる」
という絆が生まれてきたのだ。

農家のためには、と農業生産法人、農機具などの資材、農業指導、やるべき範囲はますます広がっている。36年の歴史に、さらに専門人材を追加して、さらなる発展を江口さんは夢見ている。

「すごい人にお会いした」
そういう感動にあふれる1時間半になった。

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エグチベジフル

島TECH(長島町で開催されている、島に自然体験、職業体験をしながら、Webページ制作をする9泊10日のキャンプ)で作られた、エグチベジフルのホームページです。

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