島原の旅

実は、島原を訪れるのは、実に30年ぶりになる。
高校の修学旅行で訪れて以来。
雲仙普賢岳の噴火の前で、島原の乱、天草四郎、キリシタンという香りが印象として残っている。

30年ぶりの訪問での第一印象は、失礼ながら
「思った以上に大きな町だな」
ということ。
そして、予想を裏切らないのが、鯖、おこぜ、甲貝といった新鮮な魚介類だ。

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全て刺身で頂いたが、私好みの「甘めの醤油」とよく合う。

今回の訪問は、美味しい食事目当てではない。
40歳を節目に、地元の農業を支えたいと、サラリーマン生活に終止符を打ち、家業の農業を継いだ、平(ひら)元洋さんにお会いし、新規就農の苦労を教えていただくためだ。
実際、成功の話ではなく、苦労や失敗の話の中に、ヒントが多いと考えている。
特にスタートアップの時は、一心不乱、がむしゃら、であることが多く、新鮮なうちに初期時点での話を聞いておける絶好の機会だと考えたのだ。

まずは、島原という土地についてお聞きした。
島原は実に肥沃な土地だという。遠く、阿蘇と同様な土がここに及んでいるという話らしく、根菜類含めよく育つらしい。
長崎市内でも、「島原の野菜」は一つのブランドになっているという。
それであれば、家業をただ継いでも、そこそこ収益が得られると思うところだが、平さんの思いは、単なる後継者ではなく、「地元の農業を支えたい」というところにある。

だからこそ、農業法人「しまばら創生」を立ち上げ、数ヶ月の間に、数々のチャレンジをされてきた。
・新規就農者の受け入れ
・パートタイムの雇用
・交付金・補助金の申請
・有機農法による作付け
・加工(自家の作物だけでなく、他からの加工の受け入れ)
・他農家からの買付から出荷
・有機農業の認証取得
・販路拡大

「いや、正直、大変で、回らんかったです」
と言いつつ、事業として成立するにはどうしたら良いのか、という観点では、すでに幾つかの有益な視点をいただいた。
・中途採用の新規就農者も、元営業社員といった経歴であれば、農閑期に販路拡大などの業務をシェアできる
・有機農業、加工とも「品質」を重視すれば、付加価値は高まる
・農作物によって機械化コストが大きく異なる。何を作付けするかをある程度決め、投資を集中しなければ、結果として、事業が破綻する
・出荷時期は重なれば、人は集まらず、出荷もままならず、廃棄という憂き目すら味わう。
・有機農業の認証取得は、団体などに加入することで、低コストで実現できる。こうした団体・組合なども利用していけば、生産性は向上する。

農業素人の私でも、なるほどな、と感心しながら聞かせていただいた。
金融経験があり、営業経験がある人だからこその視点かもしれない。

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定期的に話を聞かせてもらって、農業の発展の過程を観察していきたい、そう思っている。

しまばら創生