人のこと(第5回)

「成功例の移植」は良くない、と前回、お話をした。
これは、「過去の成功事例」にとらわれる経営者が企業をダメにする、という、企業経営のイロハのイと同じ。
過去と現在では、企業の置かれている状況が違う。だから、過去の成功が、今の成功、あるいは将来の成功にはならないのは自然。
「地域」に置き換えれば、常に環境が変化するばかりか、地域の特性が全く違うのだから、そのまま移植できることが稀なのは明らかなように思う。
逆を言えば、それだけ地域というには、一つ一つ特性を持っていると考えてもいい。

では、Community Future Designが、なぜ、ツアーや勉強会で、いろいろな地域の活性化の実情を伝えようとしているのか、
「そんなものを勉強したところで、「成功事例」は他に役立たないのに、無駄ではないのか」
と言われそうだ。

端的に言おう。
「苦労して成功に導いたプロセス」
を学ぶことに意味があるからだ。

  • どういう人々が動いたのか、
  • どういう失敗をしたのか、
  • その失敗に至った原因は何か、
  • 目標は常に一定だったのか、途中で路線変更があったのか、
  • リーダーはどういう動きをしていたのか
    などなど。

成功した地域をリサーチしていると、共通の理由が見つかってくる。
おおよそ4つくらいの要素に集約されるように思う。
しかし、そうした要素が達成されたプロセスがどうも、それぞれ違うようだ。

だから、達成された結果=成功例の移植をやっても、成功しない。
では、成功に至ったプロセスを移植すれば良いのか。。。

残念ながら、人を他と同じような感性に育てられることができるようになったとしたら、それは教育の奇跡だろう。とても難しい。

だから、自ら気づいて育ってもらうしかないのではないか、というのが今のところの答えだと考えている。
「気づきの場」、そういうフィールドの提供こそが、地域活性化のための人作りにつながる、と思っている。
我々が、現地を見るというツアーや、地域のことをいろいろな人と一緒に考える勉強会(例えば、フューチャーセンター)を積極的に作りたい、と思っている理由が、実はこんなところにあるのです。